プロフィール

若林 顕 (ピアノ)


“演奏家生命の危機が懸念された重大手疾患からの完全復活!”
“世界に飛翔する日本を代表するヴィルトゥオーゾ・ピアニスト”

若林顕写真

 表面的な流行にとらわれず、常に音楽の本質に迫る演奏を信条とする若林顕は、ラフマニノフなどの作品には、ロマンティシズム溢れる劇的な表現力を発揮し、ベートーヴェンやブラームスなどのドイツ音楽では、堅牢な構成と深層を衝くアプローチに定評がある。とりわけ、単なる音の美しさにとどまらない自在な音色表現、圧倒的な技巧は聴衆に強い印象を与えてやまないものであるが、ピアノ演奏芸術における更なる可能性への探究には常に余念がない。
2008年 1月、突然襲われた重大な手疾患により、数多くのコンサートやレコーディングをキャンセル。演奏家生命の危機が懸念される事態に見舞われ、時には心身共に困難な状況下で演奏することを余儀なくされたが、治療の成果を得て2010年秋には完治。リスト編曲のベートーヴェン:交響曲 第9番のような超絶技巧を要する作品をも見事に演奏して“完全復活”。2012年にはヨーロッパ演奏旅行が予定されるなど、新たな飛躍が期待されている。

 東京芸術大学で田村宏氏に、さらにザルツブルク・モーツァルテウムやベルリン芸術大学でハンス・ライグラフ氏らに学んだ若林は、1982年第51回日本音楽コンクールピアノ部門第2位。 1985年、第37回ブゾーニ国際ピアノコンクール第2位入賞。さらに1987年には弱冠22歳でエリーザベト王妃国際コンクール第2位受賞の壮挙を果たし、一躍脚光を浴びた。
その後、NHK交響楽団をはじめとする日本の主要なオーケストラや国内外の著名指揮者たちとの度々の共演や全国各地でのリサイタルなど、多忙な演奏活動を展開してきたが、2002年にニューヨーク・カーネギーホール(ワイル・リサイタル・ホール)で鮮烈なリサイタル・デビューを果たし、カナダ・トロントにおけるMusic Toronto Chamber Music Seriesやシカゴでのマイラヘス=リサイタル・シリーズにて大成功を収めて再招聘されるほか、フランス・ナントにおける音楽祭『ラ・フォル・ジュルネ』、ストックホルムにおけるアモリナ・リサイタルシリーズなどにも出演。さらにベルリン交響楽団、サンクトペテルブルク交響楽団、ロシア・ナショナル交響楽団、エーテボリ交響楽団、ノールショピング交響楽団、リンブルク交響楽団、パドゥルー管弦楽団、スコットランド室内管弦楽団等とも共演し、英国マンチェスターの「ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージック」でマスタークラスを行うなど、活動領域を着実に拡大している。

 室内楽奏者としてもコリア・ブラッハー、スティーブン・イッサーリス、堤剛、カール・ライスター、フランソワ・ルルー、ラデク・バボラク、ライプツィヒ弦楽四重奏団、ウィーン八重奏団など、内外の名手達と数多く共演して好評を博しており、さらにその延長として、弾き振りによる協奏曲演奏でも注目を集めている。

 2007年秋には「ヴィルトゥオーゾ・プログラムによる3連続演奏会」と題したリサイタル・シリーズを東京にて開催、「・・若林の音質、とりわけ音の色彩感覚における一層の深化が示されたリサイタルであった。・・・彼にとってのテクニックとは、作品の内面を汲み取り、それを表現するための手段なのだ。・・・」などとして、絶賛を博した。

 レコーディングはこれまでにデンオン、ライヴノーツ、オクタヴィアなどのレーベルからリリースしている。

 1992年出光音楽賞、1998年モービル音楽賞奨励賞、2004年ホテルオークラ賞受賞。
現在、桐朋学園大学院大学教授、桐朋学園大学特任教授、国立音楽大学招聘教授。

(2011年2月現在)


雑誌・メディア掲載